ビクトリアライン修復に停止命令|コンクリート使用で景観破壊
マルタのガルゴール(Għargħur)地区を通る19世紀後半の歴史的要塞・遊歩道「ビクトリア・ライン(Victoria Lines)」において実施されていた修復工事現場にて、歴史的建造物には不適切な「コンクリート(セメント)」が広範囲に使用されていることが判明し、保護計画局(PA)および文化遺産庁(SCH)が即座に工事の一時停止命令(Stop-work Order)を発出しました。
事発の経緯と問題の「コンクリート使用」
ビクトリア・ラインは、19世紀のイギリス統治時代にマルタ島北部からの侵略を防ぐために建設された、全長約12キロメートルに及ぶ「マルタの万里の長城」とも呼ばれる防衛壁・歴史遺産です。
しかし、ガルゴール付近の壁や歩道エリアで行われていた工事において、本来使用されるべき伝統的なグローブ(石灰モルタル)や天然の黄砂岩(グローバ石材)ではなく、現代的なコンクリートが石垣の間や上面に大量に流し込まれている様子を、歴史ファンやハイキング中の市民が発見。SNS上で「歴史遺産の美観と歴史的価値を破壊する無謀な工事だ」と大きな批判の声が上がりました。
当局による迅速な現場介入と停止命令
通報を受けた計画局(PA:Planning Authority)および文化遺産庁(SCH:Superintendence of Cultural Heritage)は、直ちに現場調査を実施。
現場での施工方法が、提示されていた文化遺産修復のガイドラインおよび許可条件(歴史的素材・技術の遵守)に明らかに違反していると判断し、工事の即時停止を命じるとともに、すでに流し込まれた不適切なコンクリートの撤去と原状回復を要求しました。
文化遺産の修復と保護への警告
文化遺産保護の専門家は、「歴史的な石造建造物に硬いコンクリートを使用すると、見た目が損なわれるだけでなく、水分の蒸発を妨げて周囲の古い石材を急激に劣化させる原因になる」と指摘。
今回の迅速な施工停止処分は、近年高まる「歴史的建造物や歴史的景観の杜撰な工事に対する監視の目」を裏付けるものとなりました。当局は今後、修復計画を適切な伝統的工法に見直させ、専門家の監督下で正しく工事を再開させる方針です。
✍️ 「ハイキングコースとしても大人気の歴史遺産『ビクトリア・ライン(Victoria Lines)』に関するニュースです!
イギリス時代に作られた『マルタの万里の長城』とも言われるガルゴールの美しい城壁で修復工事が行われていたのですが、なんと業者があろうことか現代のグレーのコンクリートをドバドバ流し込んで修復していたことが判明しました!
通過したハイカーや市民が『歴史的な石垣にコンクリートを塗りたくるなんてあり得ない!』とブチ切れ、SNSで拡散された結果、政府の文化遺産庁と計画局(PA)が飛んできて速攻で工事停止命令が出されました。
コンクリートを使うと見た目が台無しになるだけでなく、古い石材の中に水分が溜まって建物自体が傷んでしまうそうです。
マルタでは古い建物の壊し過ぎや雑な修復に対して市民や当局のチェックがすごく厳しくなっています。綺麗な石畳と城壁が正しく修復されて、これからも素敵なハイキングコースとして守られてほしいですね!」